2007年03月20日

【第01回】

僕が、このささやかな物語を記しておこうと思い立ったのは、あれからそろそろ1年が経とうとしていることに気づいたからだ。

それは、こういう風に始まった。

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2006年03月13日
21:26 世代を超えて

あれはもう昔の事。

上京してきた私に都会生活大先輩の従姉妹が都会暮らしの注意事項を親切にレクチャーしてくれました。

「東京にはたくさん地下鉄があるから、気を付けて乗るのよ。窓から方向や目印を確認しようとしてはダメ。窓の外は真っ暗だから」そんな有難い教えを流暢な共通語で話す従姉妹を尊敬の眼差しで眺めたものでした。

従姉妹はもう一つ、電車慣れしてない私に教えてくれました。曰く「電車には高いチケットを買わないと乗れないグリーン車というのがあるの。車体が緑色してるからすぐわかるよ」ハハーッと心得た私はそれからというもの、山手線に乗れなくなりました。だって来る車両来る車両、全てグリーン車なんですもの!私はホームに立ったまま何台もの電車を見送りました。従姉妹は良いことを教えてくれたと感謝しながら。

騙されたと気付くのにさほど時間はかからなかったものの、私の幼心には深い傷が残りました。

明日はその従姉妹の娘であるハトコが上京してきます。大学に受かったので手続きの為と言うことで、私のマンションに泊める事になりました。従姉妹である母親からはくれぐれもよろしくと電話があり、私はハトコが手続き場所に無事たどり着ける様に電車の乗りかたを教えてあげると約束しました。

ふっふっふ。。。。世代間の伝統はきっちり引き継がねば!明日はいろいろと教えてあげようと思います。流暢な共通語で。


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投稿者 yoyogi : 19:21 | トラックバック (0)

2007年03月21日

【第02回】

30台半ばの頃、初めてノートパソコンを買ったのは、パソコン通信をやりたかったからだ。

なぜだか分からないが、ある日、衝動的にやりたくなった。無性にやりたくなった。やらねばいけないのだという、ある種強迫観念に近いものがあった。いや、それは言い過ぎか。とにかく、何故だかは分からないが、急にパソコン通信がやってみたくなった。

当時はワープロ通信という言葉もあって、ワープロ専用機の中にも通信機能を備えたものがあったが、少なくとも僕が持っていたワープロでは通信が出来ないと分かって、どうせなら、と、ノートパソコンを買うことに決めた。

性に合っていたのだろう。ノートパソコンを買って、念願のパソコン通信を始めた僕は、その世界にドップリはまった。人見知りのくせにオフ会にも恐る恐る参加して、友達も出来た。

そして、やがて、時代はパソコン通信からインターネットへとシフトして行く。


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投稿者 yoyogi : 08:27 | トラックバック (0)

2007年03月22日

【第03回】

しかし、いつまでもお互いに「足あと」をペタペタ付け合っているだけでは、進展がない。

ええい、思い切って日記にコメントだ。

「初めまして。」(実際には、挨拶なしのいきなりの書き込みだったわけだが。(笑))

そして、それ以来、僕たちはお互いの日記にコメントを付け合うようになった。
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2006年03月14日
21:52 神のお告げ

先週、とあるところでおみくじをひきました。
「恋みくじ」というそれは、「恋の歌」に始まって等々と愛情運を述べるという、恋愛一辺倒のおみくじなのでした。

お告げ。
恋の歌「神様の導き給う二人にて 今日の出会いを大切にせん」
まぁ、素敵!問題は誰ともであってないことだけれど、この際そういうことは気にしませんとも。

そして愛情運。
「幾百万人の中から選ばれた二人なのです。(中略)きっと愛情あふれた結婚と家庭が約束されることでしょう」
ああ、またここにも「二人」の文字。どうも私は誰かとすでに出会ってるらしい>やったね、自分!

そして運勢は「大吉」・・・もう、何もかもがうなぎのぼりです!

・星座「みずがめ座か、おとめ座が最良」やったね!・・・てんびん座だけど。
・待ち合わせ「必ず来る。安心せよ」・・・待ち伏せ、いや、待ってたの、この時を。
・結婚「神様に感謝するときが来るでしょう」・・・キターッ!!!!!!
・・・そして〆のことば。

・縁談「良縁が年内に必ずある」

   *  *  *

つまり、神様がおっしゃりたいのは、
・もう誰かと出会ってる!
・それは幾百万から選ばれた運命の二人だっ!!
・神様に感謝するときがくる!!!
・そしてそれは年内である!!!!!

皆さん、私年内に結婚します!先週の土曜日に私と出会った心当たりのある人は、至急連絡ください。
自分の運命も占いたいあなたのためには、ここをご紹介。
http://fortune.yahoo.co.jp/fortune/omikuji/

今、そばにおとなしく座ってるハトコに年内に結婚すると言ったら、実家にメールを打ちやがった。たぶん仰天した母親からすぐに電話がかかってくるかも。・・・ほら、きた!
皆さんサヨウナラ~


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投稿者 yoyogi : 12:41 | トラックバック (0)

2007年03月23日

【第04回】

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2006年03月20日
22:44 春はもうすぐ!


久々に代々木公園にお散歩にいってきました。
風はつめたいものの、日差しはもう春です。日向のベンチにすわるとポカポカと日差しが温かくて、心地よい眠りに誘われそうでした。

平日の公園は人気もまばら、気に入ったベンチを占領しても今日ばかりは気兼ねなくくつろげます。近所のパン屋さんから買っていったサンドイッチをコーヒーとともに時間をかけていただき、雑誌にゆっくり目を通す。・・・こんな過ごしかたは平日ならではですね。途中でカラスがよってきたり、散歩中のワンちゃんが挨拶に来てくれたりというハプニングもありましたが、穏やかな時間がすぎていきました。

代々木公園内では、なんと1本だけ、桜が咲いていました。
その桜は確か去年も他より早く咲いて目を楽しませてくれたもの。日当たりのいい場所に立っているおかげでしょうか、そこだけ一足先に春爛漫という感じでした。
ほかの桜も春はもうすぐそこまで来ているようでした・・・濃いピンクの蕾がはちきれんばかりに膨らんでいましたから。

明日も東京は春のおだやかな陽気に包まれるそうです。
代々木公園が一面の淡いピンクに染まるのは明日でしょうか、明後日でしょうか、楽しみでなりません。


2006年03月21日
18:31 ガメチョフ教授


ああ、はやく花見してえなぁ、花見。


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投稿者 yoyogi : 21:45 | トラックバック (0)

2007年03月24日

【第05回】

代々木公園は、東京23区内の都市公園の中で4番目に広い公園として、1967年に開園された。かつての陸軍代々木練兵場は、戦後、米軍の宿舎・ワシントンハイツとなり、東京オリンピックの選手村を経て、公園として生まれ変わった。

明治神宮に隣接する東京ドームおよそ11個分もの広大な敷地は、緑豊かで、とても都心とは思えない。

その場所で「ぶんちゃん」と会うことにした。

次の週末には風邪をひいてしまい、とても人に会えるような状態ではなかったので、実際に会ったのは、その翌週の土曜日だった。

天気は良かった。待ち合わせの時間は、たしかお昼過ぎだったと思う。早めに代々木公園に着いた僕は、しばらくグルグルと公園の中を歩き回った。少し緊張していたかも知れない。

元来、人見知りをする質で、人付き合いは得意ではない。

パソコン通信を始めて、オフ会に参加するようになってからは多少マシになったが、基本的に初対面の人と話をするのは苦手である。インターネットを始めてからも多くの人に会ったが、それはあまり変わらない。相手が女性となれば尚更である。

しかし、男の性とリビドーはそれに勝るのだ。


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投稿者 yoyogi : 18:44 | トラックバック (0)

2007年03月25日

【第06回】

当日の日記にもある通り、ランチの後、「うちに寄りますか?」と、彼女の家に誘われた。

これをどう解釈したら良いのだろう。

家に誘うというのはどういうことか。もしかして、僕に気があるのか?少なくとも、嫌いなら家に誘ったりはしないだろう。もしかして、このまま速攻でムフフな関係に発展か?リビドーが僕にあらぬ妄想を抱かせる。

実際には、その日は彼女の部屋でコーヒーを飲んだり、音楽を聴いたり、他愛もない話を(ほぼ、彼女の方が)したりといった程度で、特に何がどうということもなかった。

マッサージをしてもらったが、マッサージは飽くまでマッサージだ。肉体的な接触によって、男の性とリビドーが発動しかけたが、会ったばかりの女の人に対していきなりそれを全開にするわけにもいかない。

僕はまだ彼女との間合いを測りかねていたのだ。

初めて招待された家でいつまでも長居をするわけにもいかない。そろそろ帰ると言うと、この後どうするのかと訊かれたので、秋葉原に行こうと思うと告げると、一緒について行こうかな、と言われた。

特に断る理由もないので、JR代々木駅まで歩いて、中央線に乗って一緒に秋葉原まで出かけた。


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投稿者 yoyogi : 18:50 | トラックバック (0)

2007年03月26日

【第07回】

初めてのデートの後、また彼女からメッセージが届いた。当日のことだったか、それとも翌日のことだったか、はたまた数日経ってからのことだったか。よく思い出せないが、どちらにしても、とにかくまた彼女の方から会いたいという連絡が来たのだ。

中野に美味しい寿司屋があると聞いたので、一緒に行きませんか、という内容だった。(当時、僕は中野に住んでいた。)

あらら?新しい展開かしら。彼女との関係はあれっきりで終わったわけではなかったのか。

「ご一緒しませんか?」と問われれば、もちろんノープロブレムでエブリシングオーケーである。断る理由などナッシング。

僕らは、初めてデートした翌週の土曜日に、中野の寿司屋で2回目のデートをする約束をした。


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2006年04月23日
前世の約束 a.k.a. スシ食いねェ !

いやー。や、ね、君、goto君、ホントすまん、ね。せっかくのお誘いを断っちゃって。え?ヤボ用て何だったんですか?って?ヤボ用つったら、君、ほら、火事が出た時の、初期消火の為の、ほら、何つうの?防火用水つうの?え?そりゃ、ボヤ用でしょ?イイんだよ、ヤボ用でもボヤ用でも。別に変わりゃしないんだから、堅いこと言うなよ。えー、と、えー、ほら、何話してたか分からなくなったじゃないか。えーと、何だっけ?ああ、そうそう、ヤボ用な、ヤボ用。昼過ぎからさ、新宿でさ、ちょっとアレして、さ、え?アレして、って何ですか?君、別にどうでもイイじゃないか、そんなこと、ね、君。それにしてもアレだ、ヨドバシカメラの西口店と東口店間違えちゃってさ、俺。ホント、ゴメンな。いや、ホント、すまんでした。え?誰に謝ってんですか?イイんだよ、別に君のような者には関係ないんだよ。プライベート。プライベートの話だよ。その後は夕方まで、新宿でダラダラ過ごして、で、その後は、中野区の某寿司屋で寿司を食したよ、寿司、ね、君のような者には夢のまた夢のような話だろうけれどもさ、特上だよ、特上2人前。え?誰と寿司食ったんです?君、ヤボだな。そういうこと聞くもんじゃないよ、ね。ヤボ用つうのは、そういうことを聞くのがヤボな用事つうことだよ。つまりそういうことだ、ね。いずれ寿司をおごってあげるつって、前世からの固い約束があった、そういう人に寿司をおごってあげた、と、まぁそういうことだよ。え?その後?その後は、君、決まっとるじゃないか、うちでまったり過ごしたんだよ。まったり、て具体的にどういうことですか?て、君、そりゃ、決まっておるじゃないか、ね、君、ヤボだなぁ、ヤボ。とにかく、前世から、いずれうちで一緒にまったり過ごそうと、そういう固い約束があった、と、まぁそういうことだな。しかし、ヤボにも程があるってもんだよ、君、ね。ヤボ大王かね、君は。あっはっは。あーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは。


2006年04月23日
01:37 goto


ちょwwwwwwww
アレか、エロか。エロなんですね!そうかエロか!
エロオヤジ!死ね!死んでしまえ!


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投稿者 yoyogi : 16:13 | トラックバック (0)

2007年03月31日

【第08回】

僕 48歳 彼女 39歳。

お互いに、いい加減、嫌というほど歳を食っている。ちなみに、2人ともこの歳まで結婚経験はない。

この歳で「僕」と書くのは面映いが、「私」は柄ではないし、堅苦しい。「俺」では、この手の話を書くには、ちょっと乱暴だ。やはり「僕」のままで話を進めさせてもらうことにする。

余談だが、「ぶんちゃん」は、時々自分のことを「俺」と呼ぶ。もちろん、冗談で、そう呼ぶのだが、そういう時の彼女は、何だか妙に「俺」という呼び方が似合っている。

などと書くと誤解を招きそうだが、普段の彼女が特に男っぽいわけではない。男っぽい面もあれば、時に女らしかったり、そうかと思うと性別を感じさせなかったり、時々、子供のような表情を見せたりもする。

非常に興味深い。彼女を見ていると、人間て興味深いな、と思う。

人付き合いは、何だか面倒くさい、女は好きだが、結婚は面倒だし、別に一生独りでも良い。彼女に出会うまではそう思っていた。

彼女も、僕に会うまでは、いつ死んでも良いと思っていたそうだ。別に捨て鉢になっていたわけではないだろう。彼女の気持ちは良く分かる。

別に人生を投げていたわけではないが、ちょっとだけ人生に倦んでいた。そんな2人が出会ったのだ。これって運命?2人はソウルメイト?もしかして?いや、もしかしたら、そうかもしれない、いや、マジで。この居心地の良い感じは、そうでもなければ説明がつかない。

この楽チンな感じ。人付き合いの下手な僕が、彼女といる時にはストレスを感じないで済むのだ。

話がそれたが、とにかく、この日、僕たちは初めてのキスをした。

いい加減、歳を食った2人なので、お互い、童貞でもなければ、処女でもない。


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投稿者 yoyogi : 14:56 | トラックバック (0)

2007年04月03日

【第09回】

その年のゴールデンウィークの後半、彼女は数日佐世保の実家に帰省した。

頻繁に会うようになってから、僕たちは休日の間はずっと一緒にいたから、離れ離れでいるのは久しぶりの事だった。

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2006年05月01日
10:34 帰省のお土産は東京バナナ


今から帰省します。
平日でおそらく都心も若干はすいているからウィンドウショッピングも快適であろうとか、こんなに天気がいいなら代々木公園で日向ぼっこはさぞかし気持ちがいいだろうとか、いろんな後ろ髪をひかれつつの帰省となります。

お正月も帰らなかったこともあって、久々に家族の顔はみたいと思ってはいるんですよ。。。でも、そんな私のなけなしの家族愛をさます母の電話が今朝もかかってきました。

「あんた、今日何時に帰ってくると?」
「うーん、たぶん夜になっちゃうかな」
「じゃあ、呉豆腐とっとくけん」
(呉豆腐というのはこちらでは入手入不可能な、不思議な食感の超うまいお豆腐)
「うん、頼むね」

・・・ってこれだけの会話をするためだけに、朝の6時半に電話してくる必要があるというのでしょうか、母よ?
たまさかの休日ぐらい、会社に行く時間より少しは寝坊していたいのに。

そのあと二度寝した私に15分後にまた電話。
「あのね、お土産は東京バナナがよか」
「・・・・・わかった・・・・それ昨日きいたし」
「じゃあ、東京バナナよろしく~」

もう観念してベッドから這い出した私に携帯メールが着信。
「お土産は東京バナナにしろ。お母さんがあれがいいとうるさい」
兄よ、あなたがうるさいよ。母もだ。

こうなったら東京バナナをこれでもか、ってぐらい買って帰ろうと思います。きっと母も兄も欣喜雀躍。スンバラシイ。

私のなけなしの家族愛と、水溜りほどの深さしかない愛郷心を一撃でふっとばす母はますますパワーアップしてる模様。
愛くるしい母を観察しに、行ってきま~す!


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投稿者 yoyogi : 10:24 | トラックバック (0)

2007年04月06日

【第10回】

独りでいるのは嫌いではない。むしろ好きな方だ。

僕は孤独を愛する男なのだ。

しかし、一人でいると、やることがない。

本を読んだり、ビデオを観たり、それなりに暇つぶしの方法がないわけではないが、それにもいずれ飽きてくる。

飽きてくると、僕は散歩に出ることにしている。

散歩は良いぞ。

そう、散歩は良い。
何が良いかと訊かれても困るが、とにかく良いのだ。

まず、頭を使わないで済む。何しろ、ただダラダラと歩いているだけなのだ。

これで天気でも良いと来た日にゃ、あなた、ダラダラ歩きの一定のリズムと相まって、段々無我の境地。思わず頬がゆるんで、ニヤニヤ笑いが口元にこみ上げて来る。お天道様はポカポカだし、気持ち良いことこの上ない。

そうやって、気持ちよくなって、何となく眠たいような気分になって、目はトロンと半眼で、でも口元はニヤニヤしている。そういう人に私はなりたい。

いや、そうではない。そういう人になりたいと言いたいわけではなく、散歩はそれくらい良いものだ、ということを言いたかったのだ。一種の瞑想である。歩く禅だね、あれは。


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投稿者 yoyogi : 19:05 | トラックバック (0)

2007年04月14日

【第11回】

「ひとりでできるもん」

僕がこの歳まで特に結婚したいと思わなかったのは、ひと言で言えばそういうことだ。

別に家政婦が欲しいわけではない。掃除も洗濯も、好きなわけではないが、別に苦になるわけではなくちゃんとやるし、料理だって、得意ではないが、そこそこ出来る。縫い物はほとんどしないが、必要とあれば出来ないわけではない。

これで、独りでも寂しさを感じないときたら、結婚したいと考えるわけがない。

女は好きだし、今まで、それなりに付き合いもあった。僕だって、最初から一貫して結婚しなくていいや、と思っていたわけではない。こちらが結婚したいと思っても、相手に結婚願望がなかったり、逆にこちらにあまりその気がなかったり、と、そういうことを繰り返しているうちに、機会を逸して、そのうちなんだか面倒くさくなった。

一生結婚しなくていいや、面倒くさいし、「ひとりでできるもん」

つまり、そういうことだ。

「結婚する?」

そう彼女が訊いてきたのは、あれは何度目のデートの時だったろう。

独りでいるのも悪くはないが、いつまでも一人で生きてはいけない。そう考えていた時期だったので、「そうしようか」と、僕は答えた。

それはいつのことだったか。

この日記の頃だったように思う。


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2007年04月22日

【第12回】

月曜から木曜までは会社から普通に帰宅し、金曜の夜は彼女の家に泊まる。そして土曜日になると着替えのために一旦また帰宅して、日曜日の夜まで彼女と一緒に過ごす。

いつの間にか、そういう生活パターンが普通の事になっていた。

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2006年05月20日
おいしいプロポーズ


引き続き、都内某所に潜伏中。

で、夜、一人で買い物から帰ってきた相方から衝撃の報告が!!

「そこで、ハセキョウがロケやってたよ。」

潜伏中の都内某所の近くには、現在某ドラマでロケに使われているアパートがあるのですが、そこでたった今ロケをやっているというのです。

「は、ハ、ハセ、ハセ、ハセ、ハ、ハセキョウて、あ、あの、ハ、ハセ、ハセ・・・・」
「そう、長谷川京子。」


パンツ一丁でくつろいでいた俺は、ズボンを履くのももどかしく、今買い物から帰ってきたばかりの相方に案内させてロケ現場に。

確かに人が大勢集まって何やら撮影している様子。

で、肝心のハセキョウはどこ?


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